Bybitの資金調達率（Funding Rate）とは？仕組みと活用法を初心者にもわかりやすく解説

「Funding Rateって何？」「支払う？もらえる？どっち？」

Bybitのデリバティブ取引を始めると目にする「資金調達率（Funding Rate）」ですが、実際にどう影響するのかを理解している人は少ないです。

本記事では、資金調達率の仕組み・計算方法・支払い／受け取りのタイミング・トレードでの活用法を初心者にもわかるように徹底解説します。

🧭 この記事で学べること

• 資金調達率（Funding Rate）の意味と目的
• 支払い／受け取りのタイミング
• 資金調達率が変動する仕組み
• トレードに与える影響と活用戦略
• よくある誤解とリスク回避方法

1. 資金調達率（Funding Rate）とは？

1-1 基本の定義

資金調達率（Funding Rate）とは、
無期限契約（Perpetual Contract）における「ロング（買い）」と「ショート（売り）」の需給バランスを調整するための金利のような仕組みです。

Bybitなどの無期限契約は、満期のない先物取引です。
そのため、価格が「現物市場」と乖離しやすくなります。
この乖離を防ぐために導入されているのがFunding Rateです。

1-2 Funding Rateの目的

目的は一つ：

無期限契約の価格を現物価格（スポット価格）に近づけること。

もしロング（買い）ポジションが過剰になれば、デリバティブの価格が現物より高くなります。
その際はロング側がショート側にFundingを支払い、バランスを調整します。

逆に、ショートが過剰な場合はショート側がロング側に支払います。

1-3 簡単に言うと？

つまりFunding Rateは、市場の「偏り」によって支払い方向が決まるというわけです。

2. 資金調達率が発生するタイミングとルール

2-1 Fundingの発生時間

Bybitでは、1日3回（8時間ごと）にFundingが発生します。
各タイミングは日本時間で以下の通りです：

• 01:00（UTC 17:00）
• 09:00（UTC 01:00）
• 17:00（UTC 09:00）

つまり、ポジションをこのタイミングに保有していた場合のみFundingが発生します。

2-2 支払い・受け取りの条件

• その瞬間にポジションを保有していなければFundingは発生しない。
• ポジションを持っていても、Funding直前に決済すれば回避可能。
• Funding支払いは口座残高から自動で行われる。

💡例
BTCUSDT無期限契約でロングを保有中。
Funding Rate = +0.01%
→ この時点ではロング側がショート側に0.01%を支払う。
もし1BTC分のポジションなら、
0.01% × 1BTC × 現在価格（例：60,000USDT） = 6USDTを支払うことになります。

2-3 Bybitでの確認方法

1. Bybit取引画面の右上「資金調達率（Funding）」欄を確認
2. 現在のレートと次回予測値（Estimated Funding Rate）が表示されます
3. 「Next Funding / Countdown」で残り時間を確認可能

3. 資金調達率の計算方法（概念理解でOK）

実際の計算式は複雑ですが、Bybit公式では次のように定義されています：

ここで重要なのは、「市場の偏りによって決まる」ということ。

概念的な仕組み

1. 価格乖離（Premium）
   　デリバティブ価格 − 現物価格 の差。
   　→ ロングが多いとデリバティブ価格が上昇。
2. 資金調達率（Funding Rate）
   　その差を是正するための調整料。
   　→ ロングが多ければロングが支払い。
3. Interest Rate（基準金利）
   　小幅な市場調整用。ほぼ固定。

Funding Rateが高くなる要因

4. 資金調達率がトレードに与える影響

4-1 長期保有ポジションに影響する

Fundingは8時間ごとに発生するため、ポジションを長期間保有すると累積コストになります。

つまり、Funding Rateが高い状態でロングを長期保有すると、資金が徐々に減っていくことになります。

4-2 逆に利益を得るケースもある

Funding Rateがプラスの場合、ショート保有者はFundingを受け取る側になります。
一方、Funding Rateがマイナスならロング側が受け取り。

つまり、「Fundingをもらう」ことを目的としたトレード戦略も可能です。

4-3 Fundingは価格変動に影響する

Funding直前（例えば8時間ごとの直前）には、多くのトレーダーが支払い回避のために決済を行う傾向があります。
そのため、Funding直前に価格変動（下落／上昇）が起こりやすいという特徴もあります。

5. 資金調達率の変動パターンと読み方

5-1 通常（安定相場）

• Funding Rateは0.00〜0.01%程度
• ロング・ショートのバランスが取れている状態
• 相場は比較的穏やかでトレードコストも少ない

5-2 強気相場（ロング偏重）

• Funding Rateが+0.03〜+0.10%に上昇
• ロング側の需給が高まり、買いが集中
• 短期的に過熱 → 調整下落が起こりやすい

5-3 弱気相場（ショート偏重）

• Funding Rateがマイナスに転落
• ショート過多でロングが少ない状態
• 一時的にショートカバー（急上昇）が起こることも

6. トレード戦略での活用法

6-1 Fundingを避けて短期トレード

Funding支払いを回避したい場合、Funding前に決済→再エントリーを行います。

例：

• Funding発生：09:00
• 08:50にポジションを一度閉じる
• 09:05に再度エントリー

これでFundingコストをゼロにできます。

6-2 Fundingを“もらう”戦略

Funding Rateがプラスの時にショートを、マイナスの時にロングを保有しておくことで、資金調達料を受け取る側になります。

ただし、価格が逆行すればFundingよりも損失が大きくなるため、値動きとFundingのバランスを取ることが重要です。

6-3 高Funding時は相場転換サイン

Funding Rateが極端に上昇している場合、
多くのトレーダーが一方向に偏っている証拠です。
→ ロング過熱時＝天井圏の可能性
→ ショート過熱時＝底値圏の可能性

トレンド転換を予兆する逆指標（センチメント指標）としても活用できます。

6-4 Fundingを利用したヘッジ戦略

• 現物でBTCを保有
• 同時にデリバティブでショートを保有
  → 価格変動を打ち消しつつ、Funding Rateがプラスならショート側で報酬を受け取れる。
  つまり、価格リスクを抑えた安定運用も可能です。

7. 初心者がやりがちな勘違いと注意点

8. 資金調達率の確認とモニタリング方法

8-1 Bybit公式画面

1. 取引画面右上に「Funding / Next Funding」
2. 「Countdown」部分で残り時間を確認
3. 「History」タブから過去のFunding履歴も閲覧可能

8-2 外部データサイト

• Coinglass（旧Bybt）
  　Funding Rate一覧をリアルタイム表示。Bybitを含む複数取引所の比較も可能。
• CryptoQuant / Laevitas
  　グローバルFundingの動向や、資金流入傾向を分析可能。

9. 資金調達率を読むことで見える「相場心理」

💡コツ
Fundingは単なるコストではなく、「市場の熱量メーター」。
投資家がどちらに偏っているかを見抜くためのツールとしても非常に有効です。

10. よくある質問（FAQ）

11. まとめ：Funding Rateは「見えないコスト」でもあり「稼げる指標」でもある

💡結論：

• Funding Rateは「理解していれば味方、知らないと敵」。
• コスト管理だけでなく、市場心理の指標としても有効。
• Bybitで中級者を目指すなら、Fundingを読む力＝相場を読む力 です。